Linux Day Italia 2025 パレルモ開催：最も“温かい”LDI25の集い
カンファレンスでありながら、同窓会のようにも感じられる──そんなイベントに出会える日はそう多くありません。
けれど、Free Circle の仲間たちが主催した Linux Day Italia 2025 のパレルモ会場では、まさにその感覚がありました。学びとコミュニティ、そしてシチリアならではの温かさ（10月末とは思えない30度の暑さも含めて！）が完璧に混ざり合っていたのです。
今年のテーマは 「モバイル世界の自由ソフトウェア」。
それが示す通り、イタリアのFOSSエコシステムの活気と先見性を示す多彩なセッションが並びました。
Matrix から モバイルへ
多くのスピーカーの中でも、LPI仲間の一人である Moreno “Morrolinux” Razzoli は、いつもの明快さと情熱を携えて登壇し、Matrix vs. ChatControl の講演を行いました。内容は暗号化、分散化、デジタル主権といったテーマについて。
Moreno も、この会場の雰囲気や熱気を楽しんでいたようです。彼は後にこう語っています。
「[パレルモでの LinuxDay Italia] は、ただの講演じゃなかった。大好きなコミュニティの真っただ中に飛び込んだような体験だったんだ。スピーカーとして登壇できたことは光栄だったし、聴衆のエネルギーと温かさは、まるで自分の家にいるような気持ちにさせてくれた！
イタリアのLPIコミュニティの顔なじみ（Max、Simone、Daniele、Andrea）に直接会えたのも特別な経験だった。オンラインでの仕事は効率的だけど、人と人との“リアルな交流”には何も勝てないね。」
この「仲間意識」は、一日を通して至るところで感じられました。セッションの合間にも、コーヒーブレイクでも。
パレルモの Free Circle は、技術的に濃く、それでいて温かい「人の場」を見事につくり上げていたのです。
シチリアの中心で行われた、LPIの集い
私自身、LPIメンバーとして、このイベントは日頃オンラインで協力している仲間たち──Moreno Razzoli、“Simo” Bertulli、Andrea Palumbo、Max Roveri──に会える貴重な機会でもありました。
そして私たちは、Simone が イタリア人として初めて LPI 理事会のメンバーに選出された という大きな節目を祝って乾杯しました。
Simone は今回のイベントをこう振り返っています。
「今年の Linux Day Palermo は、自由ソフトウェア文化や知識共有の重要性をあらためて考える刺激的な機会でした。
講演の技術的レベルと人間的な質の高さには本当に感銘を受けましたし、地元コミュニティの熱気も素晴らしかった。
Linux、モバイル、プライバシーといったテーマにこれだけの関心が集まっていることは、成長の強い兆しです。
こうしたイベントは地域の技術教育に確かな影響を与え、より多くの人を“オープンな知”へと近づけてくれるのです。」
学びと協力への共通の思いは、どの会話からも感じ取れました。
法律とオープンソースをつなぐ人
そしてもちろん、私たちの“リーガル・ハッカー”である Andrea Palumbo（おそらく世界で初めての「LPIパートナーの弁護士」！）の存在も欠かせません。
彼は法律の専門家としてだけでなく、熱心なオープンソース愛好家として、技術と法の橋渡しを続けています。Andrea は今回のイベントについてこう語りました。
**「私は法律の専門家として、そして何よりオープンソースの愛好家として Linux Day Palermo に参加しました。
講演はどれも素晴らしく、取り上げられたテーマも今まさに重要なものばかりでした。
オープンソース5G、Mobian のような自由なモバイルOS、Matrix のような分散型かつ安全なプロジェクトなど…。
どれも“知識を共有することで革新する”という強い意思に支えられていました。そして、オープンソースの世界ではいつもそうですが、“人”がすべてを違うものにします。
議論と交流を歓迎する、あの温かい雰囲気。
デジタルの自由はコードだけの問題ではなく、“共有する”という集合的な価値でもあるのです。」**
コードを越えて
Linux Day Italia のようなイベントは、オープンソースが単に技術の集合体ではないことを思い出させてくれます。
それは 人、協力、そして共に成長すること があってこそ成立するものです。
スピーカー、参加者、そして再び素晴らしい場をつくった Free Circle の皆さんに心から感謝します。
また、Marcello Masotto 氏と Francesco Bonanno 氏の専門性、多様な講演構成への配慮、細部へのこだわりにも深く敬意を表します。
Grazie a tutti, bravi tutti!（みなさん本当にありがとう！）
また来年お会いしましょう。気温は慎重に見守りますが──きっと、今年と同じ温かい心で。
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