COSCUP + UbuCon 2026:アジアをつなぐコミュニティの架け橋

COSCUP + UBUCON 2026: Building Bridges Across Asia

8月初旬に台北で開催されたCOSCUP + UbuCon Asia 2026は、オープンソースが最も得意とすること、つまりコラボレーション、好奇心、そしてコミュニティの力を称えるイベントとなりました。

Linux Professional Institute(LPI)にとっても、私たちのミッションを実際の場で実践する機会となりました。

Linux、Ubuntu、オープンソースが中心に

過去10年間、Taipei Open Source Software User Groupは、台湾のさまざまな団体と協力し、Conference for Open Source Coders, Users, and Promoters、通称COSCUP 2026 x UbuCon Asiaを開催してきました。

COSCUPは、台湾最大のオープンソースコミュニティカンファレンスを自称していますが、その規模を数字が裏付けています。今年のイベントは8月8日~9日にNational Taiwan University of Science and Technology(国立台湾科技大学)で開催され、20を超える並行セッションに加え、数十のコミュニティブースが設けられました。100人を超えるスタッフとボランティアが運営を支え、テクノロジー企業、金融機関、非営利団体などがスポンサーとなり、LPIもその一員として参加しました。

今年は、アジア各地のUbuntuコミュニティが毎年集まるイベント、UbuCon Asiaも同時開催されました。

イベントは8月7日に満員となったウェルカムパーティーから早くも始まり、本格的なカンファレンスはRex Tsai氏による基調セッションで幕を開けました。セッションでは、テスト、アプリケーションアーキテクチャ、オープンソースAIツールなど、幅広いテーマが取り上げられました。

会話が生まれるLPIブース

COSCUPの根底にあるのは、コミュニティ主導の開発という精神です。そのため、LPIが取り組んでいることとも自然に重なります。LPIのブースは、それ自体が小さなコミュニティの拠点となりました。

開発者、教育関係者、技術愛好家などが次々とブースを訪れ、認定資格、キャリアパス、そしてオープンソースのスキルを実際の仕事やキャリアの機会にどう結び付けられるかについて話を交わしました。

学生、専門家、ボランティアなど、さまざまな立場の方々と交流することができました。背景はそれぞれ違っていても、共通する言葉は一つ。オープンソースです。

UbuCon Asiaは、そこにさらに教育とコミュニティという側面を加えていました。Ubuntuが重視する使いやすさとコミュニティによるサポートは、LPIがこれまで一貫して推進してきた考え方、つまりLinuxを利用するためのハードルを下げることと非常に近いものです。

複数のUbuntuのスタッフやボランティアもLPIのブースを訪れ、その中には将来的な協力について具体的に話し合う機会へと発展した会話もありました。今後につながる、価値のあるつながりです。

台湾と日本:一つのエコシステムを構成する二つの地域

台湾のテクノロジーについて語る際、日本について触れずに語ることはできません。現在、この2つの国・地域は構造的に深く結び付いているからです。

TSMCの日本法人であるJASMは、熊本県で半導体工場の複合施設を運営しており、その投資額は200億米ドルを超えています。ソニーセミコンダクタソリューションズ、デンソー、トヨタ自動車も出資しており、台湾からも多数のエンジニアが移り住み、工場の運営に携わっています。

この拠点では数千人が働いており、すでに最初の四半期黒字を達成しています。また、3nmプロセスへのアップグレードも進められています。

East Asia Forumが指摘しているように、TSMCにとって日本の魅力は、補助金だけでは得られないものにあります。それは、半導体材料・製造装置のサプライヤーが国内に密集していることです。

台湾も日本も、これを単独で実現することはできません。そして、両国ともそのことを理解しています。

こうした結び付きは、半導体というハードウェアだけでなく、ソフトウェアにも及んでいます。

現代の半導体サプライチェーンを支えるビルドシステム、カーネル、コンテナプラットフォーム、自動化ツールなどは、その多くがオープンソースであり、まさに今回のようなカンファレンスに集まるコミュニティによって維持されています。

台湾の開発者がこうした共有インフラを改善すれば、その恩恵は台湾海峡を越えて広がります。熊本にも、名古屋にも、そして次の半導体工場や自動車向けプラットフォームが構築される場所にも届くのです。

こうした背景があるからこそ、LPIのCommunications Directorである伊藤 健二 氏が現地に参加したことには大きな意味がありました。

彼が日本のオープンソースコミュニティやビジネスコミュニティの中で築いてきたネットワークは、今回のイベントにさらなる深みをもたらしました。また、彼が日本のコミュニティメンバーや業界関係者と交流する様子を見ていると、LPIの役割が単に認定資格を提供することだけではないことを改めて実感します。

LPIの役割は、地域のコミュニティと世界的なオープンソースの動きをつなぐ架け橋になることでもあるのです。

韓国からの参加

台湾で開催されたカンファレンスに韓国からの参加者がいたことは、偶然ではありません。その背景を説明しておく価値があります。

UbuCon Asiaは開催地を移しながら行われるイベントです。2022年はソウル、2023年はスラカルタ、2024年はジャイプール、2025年はカトマンズ、そして今年は台北で開催されました。

韓国のコミュニティメンバーは、単なる参加者としてではなく、イベントの運営側として台北を訪れていました。ブースの設営や運営にも携わっており、その中には会場でも特に人気を集めた「Ubu4Cut」のフォトブースもありました。

そのため、今回ここでFOSS4All KoreaやUbucon Koreaのメンバーと交流したことは、初めての接点というより、これまでのつながりの延長線上にあるものでした。

また、9月に予定されているEdTech KoreaへのLPIの参加に向けても、今後の活動を見据えるうえで有意義な機会となりました。

台北での2日間が実際に示したこと

このカンファレンスを評価するうえで、最も重要なのはスポンサーの一覧ではありません。そこで活動するコミュニティが、どのような軌跡を描いているかです。

例えば、ネパールを見てみましょう。

2024年にジャイプールで開催されたUbuCon Asiaでは、ネパールのコミュニティから参加したスピーカーは1人でした。しかし、今年の台北では5人が参加しています。この成長の過程は、主催者自身によるイベントレポートにも記録されています。

この地域のオープンソースコミュニティは、誰かの許可や市場が成熟するのを待っているわけではありません。

すでにここに存在し、すでに組織され、そして自らの力で台北、ソウル、カトマンズ、ジャイプールの間を行き来しながら活動を広げています。

国立台湾科技大学(NTUST)で過ごした2日間は、そのことをはっきりと示してくれました。

私たちもその場に参加できたことを嬉しく思います。そして、また戻ってきます!

Author

  • Jose Jolly Villaviza

    Jose ‘Jolly’ Villaviza is an experienced Human Resources and IT Professional with a history of working in the hotel and restaurant industries, the automotive industry, non-government organizations, engineering organizations, and academe. He has served more than ten years in academe, more than ten years in Human Resources, and more than 10 years in non-government organizations and counting. A human resources professional with a master’s degree focused in Information Technology, Jol joined LPI in October 2019 as Business Development Executive for the APAC Region. He also is acting as Account Executive and Partner Success Manager in the APAC region since 2021. His yearning to help others grow and be better in life was honed growing up with a father who is in the Armed Forces and an elementary school teacher. All his experiences have made himself and friends #HappyHelpingOthersHelpOthers.

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