コードに生きた人生──Jon “maddog” Hall、LinuxFest Northwestで語る

A Lifetime in Code: Jon “maddog” Hall Reflects at LinuxFest Northwest

真空管からフリーソフトウェアまで:Jon “maddog” Hall、LinuxFest Northwest 2025での講演

真空管からフリーソフトウェアへ。
Jon “maddog” Hall が LinuxFest Northwest 2025 で行った講演は、彼のユーモア、粘り強さ、そして数十年にわたる経験を余すことなく表現し、オープンソースの歩みを形づくってきた探究心・協働・「動かすこと」にかける情熱へのオマージュでした。

「私は1969年にプログラミングを始めました。」

この一言で、maddog は2025年の講演を始め、彼だけが語れる時間・コード・コミュニティを巡る旅へと聴衆を導きました。


「My Life with Linux (and Before)」

講演タイトルは「My Life with Linux(そしてその前)」でしたが、それは単なる個人史以上のものでした。
技術に人生を築くとはどういうことか——指示に従い、壊し、直し、学び続けること。多くの場合それは「許可なし」で行われ、ときには「計画なし」で、それでも常に「目的を持って」続けられてきました。


DrexelからDECへ:キャリアの軌跡

maddogの語りは、ドレクセル大学での電気工学の初期研究、IBMメインフレームでのプログラミング、ベル研究所やDECでの役割へとつながっていきます。
彼は、コンパイラのデバッグ、マイクロコンピュータの半田付け、LinuxをAlphaアーキテクチャへ移植する支援などを回想しました。これらは指示されたから行ったのではなく、「そうするのが理にかなっていたから」取り組んだのだと言います。


ユーモアと実直さ

講演では彼の人柄もにじみ出ていました。

  • 実利主義についてのユーモア:「私は仕事をきっちり終わらせたいんだ」

  • 晩年の謙虚さについての正直さ

  • 性能への情熱:「パフォーマンスこそすべてだ。バッテリーが24時間持つか15分で切れるか、それは単なる学問的な違いではない。」


人間味あふれるエピソード

講演には人間的な細部が溢れていました。

  • 機械仕掛けの不思議が詰まった近所の地下室

  • 真夜中のコンピュータ室セッション

  • 州の見本市にある豚小屋

  • ハートフォード州立工科大学で学生を教えた救いの瞬間

さらに、リチャード・ストールマンがGNUツールをUltrix-32(DECの初期Unix系ディストリビューションのひとつ)に移植する際に協力した話や、1994年に「弱々しく、みすぼらしく、ひどいIntel PC」でLinuxが動いているのを初めて見た瞬間なども語られました。


コードだけでなく「人」

この講演を特別なものにしたのは、技術的な深さだけではありません。そこには明確な動機がありました。
maddogは聴衆に思い出させました。

「フリー&オープンソースソフトウェアはコードだけの話ではなく、人の話なんです。」

そしてこうも語りました。

「誰もがそれぞれに面白い存在です。憎むより愛する方が簡単です。しかめっ面より笑顔の方が楽なんです。」


学び続ける力

学生、専門家、あるいは学ぶべきことの多さに圧倒されている誰にとっても、この講演はシンプルなメッセージを届けました。

  • 最も大切なスキルは好奇心を持ち続けること

  • 次に大切なのは、他の人も同じように学べるよう手助けすること


講演を視聴・参加するには

🔗 YouTubeで講演の全編を見ることができます:
https://youtu.be/758QuvXrttM?si=13OoKCROH5PBq8Oq

🌍 世界中のフリー&オープンソースソフトウェアを支援する活動に参加しませんか? 詳細はこちらから:
https://www.lpi.org/community-programs

About Max Roveri:

Massimiliano "Max" Roveri is a writer, blogger, editor and social media manager. He started writing on the internet in the late '90s and he went back to the digital media in 2009. Since 2014 he lives in Ireland and, since 2015, he has been part of the LPI Italy team. He is professionally involved in cultural mediation projects, with an event management side, and in education projects as a professional and as a volunteer as well.  With a background in humanities and philosophy, he loves to address the ethical and social aspects of Open Source, with an approach that nods to Gregory Bateson and Robert M. Pirsig. Photo: uphostudio

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