Morrolinux:Linuxで正しく行うバックアップ方法

Morrolinux: Do the backup right with Linux

バックアップのベストプラクティス:あなたのデータを確実に守るために

— Resticから学ぶ、効果的で安全なバックアップ戦略 —

前回の記事(※リンク予定)では、強力なオープンソースソリューションである Restic Backup を紹介し、そのシンプルさ・信頼性・柔軟性がいかにデータ保護に役立つかを解説しました。
今回はその続編として、「バックアップツール」ではなく「バックアップ戦略」そのものに焦点を当て、どんな状況でもデータを守るための実践的アプローチを紹介します。

バックアップの失敗は、時に致命的な結果を招きます。しかし、適切な方法を取れば、時間を節約し、トラブルを避け、重要なファイルを確実に保護できます。
この記事では、バックアッププロセスを効率化するための基本手順、Linux系オープンソースツールとの連携方法、そして「3-2-1ルール」などの実績ある戦略について解説します。

さあ、データ保護を次のレベルへ引き上げましょう!


第1ステップ:バックアップ対象の整理(インベントリ)

バックアップを設定する前に、まずどのフォルダーをバックアップすべきかをリストアップしましょう。
これは、価値があり、失われたら再取得できないデータだけを確実に含めるために必要なステップです。

明確なフォルダー構成がない場合は、ホームディレクトリ全体をバックアップするのが無難です。
ただし、「Downloads」やキャッシュファイルなどの不要なフォルダーは除外しましょう。
この方法を取ることで、データが雑多に散らばっていても、効率的で漏れのないバックアップを実現できます。


一つのコピーでは不十分!

バックアップは「1つだけ」では不十分です。
ここで登場するのが有名な 「3-2-1ルール」 です。
つまり、

  • 3つのコピーを作成し、

  • 2種類の異なるメディアに保存し、

  • 1つはオフサイト(別の場所)に保管する
    という考え方です。

たとえば、パソコン上のデータのほかに、ポータブルディスクや磁気テープなど別のデバイスに2つ目のコピーを作成し、さらに暗号化したクラウド上に1つオフサイトコピーを保管するのが理想的です。


バックアップソフトウェアを活用する

手作業によるバックアップは、時間がかかりミスも発生しやすい作業です。
その代わりに、増分バックアップ・重複排除・スケジュール実行を自動で行ってくれる優れたソフトウェアを利用しましょう。

たとえば、Borg Backup は非常に優れた選択肢です。
クライアント・サーバー型のアーキテクチャを採用しており、コンピュータ上のファイルを暗号化するランサムウェア攻撃からの防御にも役立ちます。


バックアップサーバーの正しい設定

バックアップサーバーの設定は、バックアップ全体の信頼性を左右する極めて重要な要素です。
Vorta のようなグラフィカルなフロントエンドツールを使えば設定が簡単になりますが、
SSHの基本的な知識(ssh-keygen, ssh-agent, ssh-add、およびid_rsaauthorized_keysなどの設定ファイル)も理解しておく必要があります。

もし「難しそう」と感じても心配はいりません。
これらの概念は、LPIのLPIC-102試験シラバスの章110.3で詳しく扱われています。
さらに詳しく学びたい方は、LPIのLearning Portal(イタリア語ですが)CorsoLinux.comも参考になります。


定期的なバックアップ検証の重要性

バックアップ環境は、定期的にテストして正常に機能しているか、データがきちんと復元できるかを確認することが大切です。

たとえばBorgでは、アーカイブの整合性を定期的に検証するスケジュールを設定できます。
しかし、最も信頼できる「試金石(リトマステスト)」は、実際にバックアップからデータを復元してみることです。
これにより、設定の誤りやバックアップの破損などを早期に発見できます。


行動計画のまとめ

この記事で紹介したベストプラクティスを簡単に整理すると、次の4点です:

  1. バックアップ対象のフォルダーを明確に整理する。

  2. バックアップコピーは必ず複数作成する(3-2-1ルール)。

  3. バックアップソフトを使い、自動かつ効率的に運用する。

  4. 定期的に復元テストを行い、バックアップの有効性を確認する。


まとめ

この記事で紹介したヒントを実践することで、失敗しないバックアップ体制を構築し、データ損失のリスクを最小限に抑えることができます。
また、あなたが使っているバックアップ方法や工夫などがあれば、ぜひコメント欄で共有してください。


※本記事は、Morrolinuxチャンネルの動画
BACKUP: LO STAI FACENDO MALE!(バックアップ:やり方を間違えていませんか?)
をもとに執筆されています。

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About Moreno Razzoli:

My name is Moreno Razzoli. I have a degree in Computer Science, and I hold certifications in Linux from LPI, CompTIA Linux+, and Suse CLA. I am also an authorized Training Partner of the Linux Professional Institute. I have worked on various Open Source projects and have contributed to several existing projects on GitHub. Since 2008, I have been creating educational videos on YouTube and my official website.

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